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海自救助 中国SNSで話題に 国営メディアも報道すべきだの声も


 海上自衛隊が9月下旬、千葉沖の海上で作業中に負傷した中国人男性(50)を救助したことが、「微博(ウェイボー)」や「微信(ウィーチャット)」など中国のSNS(ネット交流サービス)上で話題になっている。救助について伝える投稿についたコメントは称賛や感謝の声が大半で、中国の大手メディアが救助をほとんど報じなかったことについて「国営メディアも報道すべきだった」と指摘する声もあった。

 第3管区海上保安本部と海自によると、9月26日午前、千葉県・犬吠埼(いぬぼうさき)から南東約1000キロの小笠原東方沖にいた中国の調査船から「乗組員が左手人さし指を切断した」と3管に救助要請があった。ロープの巻き取り機に手を巻き込まれたという。3管は自衛隊に災害派遣を要請。海自が山口県の岩国基地から水陸両用の救難飛行艇「US2」を出動させ、翌27日、犬吠埼の南東約590キロ沖で男性を救助し、病院に搬送した。

 在中国日本大使館が27日夜、微博上にこの件を投稿すると「謝謝(ありがとう)」「逆の立場になった場合、中国側もこのようにプロフェッショナルな対応をするよう望む」などの反応が相次いだ。

 直前の9月中旬に中国南部・広東省深圳市で日本人学校に登校中の小学生男児(10)が刺されて死亡した事件があったことも、中国のネット社会の反応に影響したようだ。

 中国の個人ブロガーが日本のニュースを紹介する形で微信上に投稿した記事は数万人に読まれ、コメント欄には、男児の刺殺事件に触れて「事件の後だけにこうしたニュースが胸に刺さる」との趣旨の感想が書き込まれていた。

 毎日新聞の取材に対し、3管の担当者は「日中関係には懸念の声もあるが、人命救助はこれまでと変わりなくやっていきたい」と語り、海自の広報担当者も、今回の救助が日中関係に「プラスになればいい」と話した。【畠山哲郎】

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