福岡資麿厚生労働相は2日に開いた就任後初の記者会見で、マイナ保険証への移行に伴う紙の健康保険証の新規発行を終了する時期(12月2日)について、見直さない考えを明らかにした。自民党総裁選で石破茂首相が紙の健康保険証との併用を継続させる選択肢を挙げ、見直しを示唆していた。
福岡氏は「12月2日に新規発行を停止する方針は堅持したい。総裁選でも議論になったように、さまざまな不安の声も寄せられていることは承知している。移行で不利益を感じる方がいないよう対応を丁寧に講じていきたい」などと述べた。
マイナ保険証を巡っては、総裁選で石破首相が「(マイナ保険証への移行に)納得していない人、困っている人がいっぱいいる状況があったとすれば、(従来の保険証との)併用も考えるのは選択肢として当然だ」と発言していた。
厚労省によると、マイナ保険証の利用率は8月末で12・43%にとどまる。全国保険医団体連合会は1日、「医療現場ではさまざまなトラブルが現在も多発している」として、総裁選での石破首相の発言の通り健康保険証の存続を求める声明を公表している。【肥沼直寛、松本光樹】