熊本県内のバス・電鉄5社は30日、全国交通系ICカード(全国IC)による運賃決済の取り扱い終了を11月15日とするスケジュールを発表した。その後車載端末の入れ替えを進め、2025年3月上旬に新方式へ移行する。
5社は、九州産交バス▽産交バス▽熊本電気鉄道▽熊本バス▽熊本都市バス。5月に約12億円の機器更新費負担を理由に、全国ICを年内にも廃止すると発表していた。代わりにクレジットカードのタッチ決済などを新規導入する。全国ICをいったん導入しながら離脱する全国初事例となる。
11月16日から4カ月弱の移行期間は、現金と地域カード「くまモンのICカード」のみの決済となる。乗客の混乱を防ぐため5社は自治体とも協力し周知に努める方針。九州産交バスの岩崎司晃社長は「全国ICをご利用のお客様にはご不便をおかけするが、新しい決済手段を便利に使えるように進めていきたい」と理解を求めた。【中村敦茂】