人生の終わりに備える「終活」に関する相談を受ける「楽しい終活をしよう! あきた終活フェア」が9月28、29日に秋田市内で開かれた。家族や自らの将来の備えに関心を持つ市民が集まり、それぞれのブースで担当者の説明に耳を傾けていた。
地元企業などでつくる協同組合「あきた終活支援センター」が主催。お墓や葬儀、家屋の解体、不用品処分、古物品の買い取りなどを手がける業者が集まり、個々の相談に応じていた。また会場には、縁起が良いとされる入棺体験のスペースも設けられ、実際に入った人からは「思ったよりリラックスできた」などと感想が寄せられた。
センターの菅原博美事務局長(62)によると、相続や不動産の解体や処分、樹木葬についての相談が多く寄せられた。菅原さんは近年の状況について「若者が進学や就職で首都圏や関西などに出るとそのまま仕事や結婚をして戻らない間に親が老いてしまい、空き家が増えてお墓を守れなくなってきていることが大きな課題。魅力的な就職先を秋田に作らなければこうした流れに歯止めはかけにくい」と指摘する。
さらにこれまで高齢の親世代だけで取り組むことが多かった終活について、息子や娘も一緒に始める例が増えているとし「きょうだいの数が以前よりは少なく、相談する先が減っていることで手続きはよりスムーズに進むことが増えている。中年世代は40、50代から必要な手続きを頭に入れた方が心に余裕ができる」と早期の相談を勧めている。また「70、80代以上の親世代も終活を以前よりは『縁起が悪い』とは考えなくなってきており、終活の話題がよりオープンになってきていると感じる」と話す。
センターは常時相談を受け付けている。問い合わせは(018・827・3758)。月~金曜の午前9時~午後5時。【工藤哲】