19日午前8時7分ごろ、宮城県大崎市の東北新幹線・古川―仙台駅間で、東京行き新幹線の連結部分が走行中に外れ、いずれも線路上で停車した。盛岡駅で「はやぶさ6号」(10両)と「こまち6号」(7両)を連結して走っていたが、何らかの理由で分離したという。計約320人の乗客にけがはなく、原因を調べている。JR東日本の新幹線の連結が走行中に外れるのは初めて。
JR東によると、時速約315キロで走行中に非常ブレーキが作動。運転士が点検すると連結部分が外れており、列車同士が約300メートル離れて止まっていた。脱線はしておらず、連結器や車輪に破断などの異常はみられなかった。
連結器は双方の突起部分を差し込み、自動的にロックがかかる仕組みになっている。盛岡駅では正常に連結したことを運転士らが確認し、走行中も異音などはなかったという。人為的なミスは考えにくいといい、機器に異常がなかったか詳しく調べる。他の車両の連結器についても検査するが、運行は続ける。
トラブルの影響で東北新幹線は一時全線で運転を見合わせ、上下72本が運休。約4万5000人に影響した。仙台に向かうため、はやぶさ6号に乗っていた盛岡市の男性(59)は「音や衝撃もなく、スーッとスピードが落ちて動かなくなった。長時間待たされて疲れた」と話した。
JR東の幹部は「多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしておわび申し上げる。速やかに原因を究明して再発防止に取り組む」と謝罪した。【高橋昌紀、佐藤丈一、井川加菜美】