政治家との密接な関係が明るみに出た世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題について、自民党総裁選に立候補している9人に対し、被害救済に当たる全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)がアンケートを送ったが、全員が回答しなかった。
全国弁連が18日、東京都内で記者会見を開いて明らかにした。アンケートは、教団による被害の救済と被害抑止にどのように取り組むか▽教団による財産隠匿を防ぐ立法の必要性をどう考えるか▽政治家と教団との関係断絶のために外部調査を受け入れるか――など5項目。同様の質問をした立憲民主党代表選の候補4人は全員が回答を寄せた。
政治家と旧統一教会の密接な関係は、2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を機に自民党議員を中心に明らかになった。全国弁連は12日、公開質問状を自民、立憲の計13人の事務所に送付。17日までの回答を求めたが、自民の9人からは回答がなかった。政治家と教団との関係を再調査するかについて、9人は17日、TBSの報道番組「NEWS23」で全員が否定的な姿勢を示していた。
山口広弁護士は記者会見で、「教団による被害は、政府も解散命令請求時に認めている。問題を起こしてきた宗教団体と政治家との付き合いがどういうことかを踏まえて回答してほしかった」と苦言を呈した。
立憲の4人は回答で、野田佳彦元首相を除く3人が外部調査は必要だとの認識を示した。野田氏は「一義的には政党が判断すべきだが、説明責任を果たせているかが最も重要な視点だ」と答えた。教団や関連団体との交流や連携については、4人とも「一切絶つべきだ」「慎重に対応すべきだ」などと答えた。【春増翔太】