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英国の希少バラを無断販売か 種苗法違反容疑で女性を書類送検


 英国で開発され日本で品種登録された希少なバラの苗木を無断で栽培・販売したとして、大阪府警は17日、東京都小金井市のアルバイト女性(46)を種苗法違反(育成者権の侵害)容疑で書類送検した。府警は、女性が販売目的で苗木の無断繁殖を繰り返したとみている。

 書類送検の容疑は2023年9月~24年1月、英国のバラ育種販売会社「デビッド・オースチン・ロージズ」が開発し、農林水産省に品種登録したバラの苗木を無断で繁殖させ、フリマアプリで3人に計3本(計約2万円)を販売したとしている。

 品種登録は、花や農産物の新品種を開発した企業などの「育成者」を保護する制度。登録されると、独占的に栽培・販売をする権利が25年間(一部は30年間)与えられる。女性が無断で販売していたとされるバラはデビッド社が17年3月に登録した品種で、商品名は「コンスタンス」。同社や同社と契約を結んだ一部農家しか販売目的での栽培が許されていない。

 府警生活環境課によると、女性はバラ栽培が趣味で第三者から入手した苗木に挿し木をして自宅で繁殖させていたといい、22年7月以降、約40回(計約6万円)にわたって無断販売していたとみられる。「いけないと知っていたが、お金や手間をかけたので『まあいいだろう』と思った」と容疑を認めているという。

 フリマアプリでは送り主と受け取り手の双方が氏名や住所を明かさずに荷物を届けられる「匿名配送」という仕組みがあり、女性もこの方法で苗木を購入者に送っていたとされる。農水省の検討会はこうした匿名性が高い取引で不正販売の把握が難しくなっているとして、苗木の流通経路を確認できるシステムなどを整備するよう提言している。【小坂春乃】

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