京野菜「九条ねぎ」が栽培中の畑から盗まれる被害が相次いでいるのを受け、京都府久御山町と県警宇治署などが12日、共同で町内の農地をパトロールし、農業者に警戒を呼びかけた。この日の未明、同署は京都市伏見区の農業の男性を8月30日~9月1日に九条ねぎを盗んだとして窃盗容疑で逮捕したが、共犯者や模倣犯の存在の可能性も否定できないことから、予定通り実施した。
連続被害を受け、同町は「農作物盗難警戒中」と書かれたのぼり200本を製作。パトロールに合わせて農業者に渡すことにした。町役場でのパトロール出発式で信貴康孝町長は「早い全容解明と解決が望まれるが、町としてはこれからも警戒を続ける」と話した。惣司匡樹(そうつかまさき)署長も「今回の検挙は、農業者が設置した防犯カメラや住民の目撃情報が決め手となった。皆さんの“目”が未然防止と解決につながる」と訴えた。
パトロール先の一つ「ロックファーム京都」(同町中島)も8月末に宇治市内の畑で九条ねぎ約500キロを盗まれる被害に遭っており、のぼりを受け取った同社の黒川誠さん(66)は「まだ安心はできない。警戒の姿勢を示し、これ以上の被害を防ぎたい」と語った。【鈴木健太郎】