独立行政法人・国立病院機構大牟田病院(福岡県大牟田市)で身体障害のある入院患者らへの性的虐待が発覚した問題で、福岡県警は11日、病院の看護師1人と元職員2人の男性計3人を、それぞれ準強制わいせつと不同意わいせつ、暴行の容疑で書類送検した。
3人は当時、病院で介護職員だった福岡県八女市の男性(52)と熊本県玉名市の男性(64)、現在も病院に勤務する福岡県筑後市の男性看護師(64)。
書類送検容疑は、介護職員だった男性(64)が2019年10月~23年12月、障害により意思疎通が困難だった60代の患者ら2人の体を触り、同じく介護職員だった男性(52)も21年1~2月、抵抗できない状態の20代患者の体を触ったとしている。男性看護師は23年2~11月、いずれも60代の患者4人の頭を手でたたくなどしたとしている。
県警によると、介護職員だった2人は「(介護中に)手が触れた可能性はあるが、わいせつな意図はない」などと容疑を否認し、男性看護師は患者1人への暴行容疑のみを認めている。
大牟田病院は病床数402の半数以上が障害者病床で、筋肉が萎縮する筋ジストロフィーなど難病患者の専門的な診療も担う。23年12月に入院患者から「男性介護士に下半身を触られた」との訴えが病院にあり、問題が発覚。福岡県は24年8月、男性職員4人が患者9人にした計14件の行為を障害者虐待防止法に基づく虐待と認定したと発表していた。県警は今回、関係者の証言を基に被害の一部を立件したとみられる。
書類送検を受け、病院の担当者は「誠に遺憾であり、深くおわびする。再発防止策に取り組み、信頼回復に努める」とコメントした。【河慧琳、山口響】