世界的建築家の隈研吾さん(70)の建築模型やデザイン画などを展示する企画展「くまさんぽ 隈研吾建築と境町」が茨城県境町坂花町の「S―Gallery」で開かれている。町内には隈さん設計の建物が7棟建てられている。隈さんは「孔、粒子、やわらかい、斜め、時間という5原則に基づき、境町の七つを含めた僕の建築を、模型や写真で紹介する」とコメントを寄せた。
隈さんは、木材など自然素材を多用したデザインが特徴で、50カ国以上で活躍している。2009年度には根津美術館(東京都港区)の設計で毎日芸術賞を受賞。21年東京オリンピックのメインスタジアムとなった国立競技場(東京都新宿区)の設計で一躍脚光を浴びた。現在、東京大学特別教授・名誉教授。
町では18年にサンドイッチ専門店「さかいサンド」を初めて設計。さかい河岸レストラン「茶蔵」など、町が建設した計7棟を設計した。S―Galleryも隈さんの設計。
企画展には、国立競技場やJR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)、広沢美術館(茨城県筑西市)などの建築模型8点を展示。5原則に基づくコンセプトも説明する。茶蔵などのデッサン画6点や、町内の建築物7点のパネルも展示している。
隈さんは「小さな建築がネットワーク化し、相互に響き合うことによって、街の人の流れが変わり、ストリートが活性化し、街の雰囲気が一変したように僕は感じる」と町についての感想を記す。
23日まで。一般330円。問い合わせはS―Gallery(0280・23・4148)。【堀井泰孝】