兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委)が実施した職員アンケートで、中間報告以降に寄せられた約2100人分の内容が判明した。そのうちパワハラ疑惑について見聞きした人の合計が5割を超え、71人は自身が目撃するなど「実際に知っている」と回答した。
自由記述欄には「机をたたいて激怒」「外部の人がいる前で職員を叱責」など中間報告と同様の証言が並んだ。
他にも、斎藤知事が参加した会議の会場となったホテルで、知事が当日になって事前申込制の夕食を取りたいと主張。職員が断られたと伝えると、「俺は知事だぞ」と激怒したという記述があった。知事は4日の定例記者会見で「夕食を取れるよう調整をお願いしたが、激怒した記憶はない」と釈明した。
知事が多数の贈答品を受領していたとされる疑惑については、大雪の影響でネギの生産に被害が出ていた兵庫県朝来市などを視察した際、生産者から大量のネギを受け取ったなどの指摘があった。
アンケートは百条委が職員約9700人を対象に実施し、約6700人が回答。8月23日には4568人分の回答が中間報告として公表された。
中間報告を含めたアンケート全体では、パワハラ疑惑について約4割、贈答品疑惑について約2割が見聞きしたと回答した。【中尾卓英、山本康介】