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品薄続くコメ 国の「備蓄米」、なぜ使わないのか? その理由


 コメの品薄が続いています。一部で新米も出回り始めていますが、たしか国の「備蓄米」もあったはず。大阪府の吉村洋文知事が政府に放出を要請するなど改めて注目されていますが、国は慎重姿勢です。その理由を探りました。

 Q お米の品薄(しなうす)が続いているけど、国が備蓄(びちく)しているって聞いたよ。

 A 1993年の大凶作(だいきょうさく)で「平成の米騒動(こめそうどう)」とも呼ばれるコメ不足に陥(おちい)ったことを受け、政府は95年に法律を定めてコメの備蓄を制度化しました。「10年に1度の不作や、通常の不作が2年続いた場合も対処できる水準」として、100万トン程度を目安に蓄(たくわ)えており、2024年6月末現在、91万トンの備蓄があります。

 Q これまで使ったことはあるのかな?

 A 東日本大震災や福島第1原発事故の影響で11年産米の流通量が減った12年に、それを補うため、政府は備蓄米4万トンを供給しました。16年の熊本地震の際にも放出したほか、現在も学校給食に使ったり、「子ども食堂」などへ申請に応じて無償(むしょう)で提供したりしています。

 Q 今回は使わないのかな?

 A コメは民間で流通するのが基本で、政府が売り買いすれば「需給(じゅきゅう)や価格に影響を与える恐れがある」と農林水産省は説明しています。実際、備蓄米は政府が毎年20万トンほど買い入れ、5年たったものから売却していますが、ほとんどは飼料用です。坂本哲志(さかもとてつし)農相は8月27日の記者会見で、24年産米は生育が順調で、9月には出荷が本格化し品薄状態は順次回復していく見込みだとして、「(備蓄米の放出は)よほどのことがない限り慎重に考えなければいけない」と述べました。現時点で予定はないようです。

 Q 今買いたいんだけどな。

 A 備蓄米の放出は、価格が大幅に上がったり民間の在庫が急に減ったりした場合に、コメの作柄(さくがら)や小売価格、在庫量などの緊急調査をし、有識者でつくる「食糧部会(しょくりょうぶかい)」で話し合って、農相が最終決定するという手順が必要です。これには一定の時間がかかり、備蓄米がお店に並ぶころには新米が出回っているとの見立てもあるようです。回答・福富智(経済部)

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