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全て秘書のせい? 議員辞職の堀井学氏が繰り返した「言い訳」


 「とにかく使途不明金が多かった」と明かすのは、自民党派閥の裏金問題と選挙区内の有権者に香典を違法配布した公職選挙法違反を理由に28日に議員辞職した堀井学元衆院議員(52)=自民を離党、比例北海道=の関係者たちだ。裏金問題の発覚後、「全て秘書がやったことで、自分は全然、把握できていない」と釈明を続けていた堀井氏だが、東京地検特捜部の捜査に対して、ついに不正な会計処理に認識があったことを認めた模様だ。堀井氏が繰り返した「言い訳」とは――。【石川勝義、平山公崇】

 使途不明金の問題が地元の北海道9区(胆振、日高地方)で表面化したのは、2021年の衆院選後のことだった。

 堀井氏は地元秘書らを相次いで解雇し、その理由に事務所内の使途不明金を挙げた。23年に堀井氏の元公設秘書が支援者からの寄付金120万円を着服した疑いで逮捕され、業務上横領罪で有罪判決を受けた。着服があったのは22年8月だった。

 堀井氏は自身が代表を務めている政治団体「ともに歩き学ぶ会」と自民北海道9区支部の22年の政治資金収支報告書に、この元秘書が「横領」したとして計2364万円を計上した。だが、元秘書は毎日新聞の取材に「裁判の認定を上回る額を、オレのせいにするのか」と反発。「使途不明金を1人の秘書の責任にして、議員を守るような動きをするのはおかしい」などと語った。

 23年11月に自民の政治資金パーティーを巡り、多くの議員がキックバック(還流)を受け取りながら、政治資金収支報告書に記載しなかった問題が顕在化。清和政策研究会(安倍派)の堀井氏もその1人で、不記載額は18~22年の5年間で2196万円に上った。

 清和会は24年1月、20~22年の政治資金収支報告書を訂正し、堀井氏もこれに対応する形で20、21年のともに歩き学ぶ会の政治資金収支報告書を訂正した。支出欄に「使途不明金」として、20、21年のそれぞれに436万円と650万円と記載した。

 裏金問題を受け、堀井氏は今年1月に記者会見を開いた。還流について、事務所維持費や支援者との交際費に使ったとし、「全て私の責任」と述べた。

 しかし、同じ時期にあった地元支援者に対する説明の場で内容を一転。有罪判決を受けた元秘書や別の元秘書の名前を挙げて、「秘書が使い込んで金がなくなった」と釈明したという。支援者の1人は「なんでも秘書のせいばかりにし、『私は関係ない』という言い方で責任から逃れようとした」と眉をひそめる。

 堀井氏は自身が把握していない借金もあった、と周囲に語っていたという。別の元秘書を知る自民道議は「それぞれの主張がまったく違うので、よく分からない。別の元秘書とは長い付き合いで、一方的に悪いとは思えないのだが……」と困惑する。一方、「これだけカネに関するトラブルが相次いだのは、管理ができなかったからだ」と話し、堀井氏の政治資金の扱いのずさんさを指摘した。

 堀井氏は通常国会閉会後の6月25日、裏金問題などを理由に次期衆院選不出馬を表明した。自民道議によると、その1カ月前に不出馬を決断したが、会期中の表明は同僚議員が野党に追及される材料になると配慮し、国会の閉会を待ったという。

 香典問題発覚後は雲隠れを続けている堀井氏。五輪で活躍した一流アスリートが、なぜ政治家を続けるうちに政治とカネの問題にのまれたのか。使途不明金を何に使ったのか。自らの言葉で説明することが待たれている。

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