自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、河野太郎デジタル相が政治資金収支報告書への不記載があった議員に対して不記載額を国庫に返納させる考えを示したことに関し、党内から疑問を呈する声が相次いだ。小林鷹之前経済安全保障担当相は27日、「どのような根拠に基づいて、どういう形でどこに返還されるのか、確認していく必要がある」と、東京都内で記者団に語った。
河野氏は26日に行った総裁選への立候補を表明した記者会見で、不記載分の「返還」を求める考えを示した。その場では具体策には言及しなかったが、その後のBS番組で「最終的には国庫返納になる」と語った。
国会議員による寄付は、6月に改正された政治資金規正法で、収支報告書に「不記載・虚偽記入」があった場合には収入を国庫に納付することが可能となった。
ただ、茂木敏充幹事長は27日の記者会見で「過去に遡及(そきゅう)することはなかなか難しい」との認識を示した。
既に出馬表明した河野、小林両氏に加え、茂木氏も出馬する意向を固めており、裏金事件の「けじめ」を巡って争点になりそうだ。【野間口陽、加藤明子】