林芳正官房長官は26日の記者会見で、NHKのラジオ国際放送などで中国籍の外部スタッフ男性が不適切な発言をした問題について「こうした事案が生じたことは遺憾だ」と述べた。
NHKによると、スタッフの男性は、ラジオ国際放送などの中国語ニュースで、沖縄県・尖閣諸島について「中国の領土である」と発言したり、「南京大虐殺を忘れるな」と述べたりした。さらに、靖国神社で落書きが見つかった事件に関するニュースでは、「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」との文言を一方的に加えて放送したという。いずれも原稿にない発言だった。
林氏は「尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかだ。その他の内容を含め、発言は我国の立場と全く相いれない」と強調した上で、「NHKは公共放送としての社会的責任を深く認識し、再発防止に取り組んでほしい」と話した。【鈴木悟】