長崎市に伝わる民話「産女(うぐめ)の幽霊」にちなんだ幽霊像が16日、長崎市伊良林1の光源寺で開帳された。毎年1日限りの公開で、子供や親子連れら500人以上が参拝した。
「産女の幽霊」は、死んだ母親が幽霊となった後、赤ん坊に母乳の代わりにアメを与えようと、夜な夜なアメ屋を訪れるという話。寺の幽霊像は木製で白装束姿。目はガラスでできており、遠くから見るとギラッと光って見える。赤ん坊を抱いていたとされる腕部分は、原爆などで消失してしまったという。
参拝者は、民話を紙芝居で聞いた後、暗闇にろうそくがともる部屋に通され、母親の幽霊像と対面。緊張した面持ちで焼香し、怖がって何度も後ろを振り返る子供もいた。
市立伊良林小3年の寺尾りおさん(9)は「最初は怖かったけど、紙芝居を見て優しい幽霊だと知った。見た目で判断してはいけないと思った」と話した。【松本美緒】