韓国の大手メディアは14日、岸田文雄首相の自民党総裁選への不出馬を速報で一斉に報じた。
聯合ニュースは「自民党の裏金スキャンダルが決定打になった」と伝え、「次期総裁選への出馬をうかがったが、冷たい民心と次期選挙を憂慮した議員たちが背を向けると、結局、白旗を上げた」と説明した。
東亜日報などは、岸田氏が記者会見で、自身の外交成果に日韓関係の改善を挙げたことや、来年の日韓国交正常化60周年に向けて「日韓関係の正常化を一層確かなものとしなければならない」と発言したことを取り上げた。
岸田氏と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は、歴史問題などを巡り「1965年の国交正常化以来、最悪水準」と言われるまで冷え込んでいた日韓関係の改善に努めてきた。
両氏は2023年3月に、両首脳が相互訪問する「シャトル外交」や外務・防衛当局による「日韓安全保障対話」を再開させることで合意。日米韓の協力も強化した。両氏の対面での首脳会談は約1年半の間で10回を超えた。【ソウル日下部元美】