パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは6日、暗殺された最高指導者、イスマイル・ハニヤ氏の後任に、ガザ地区トップのヤヒヤ・シンワル氏を選んだと発表した。シンワル氏はガザ地区の戦闘を指揮する「強硬派」とされており、イスラエルとの停戦交渉に影響を与える可能性がある。
シンワル氏は1962年、南部ハンユニスの難民キャンプで生まれた。イスラエルからのスパイを摘発する活動などに従事し、スパイを残忍な方法で殺害するなど「ハンユニスの殺し屋」と恐れられた。88年にイスラエル兵やスパイを殺害した容疑でイスラエル当局に拘束され、終身刑を言い渡されたが、拉致されたイスラエル兵との捕虜交換で2011年にガザに戻った。17年にガザ地区トップに選ばれ、21年に再選された。
暗殺されたハニヤ氏は、ハマス内では「穏健派」とされており、停戦交渉で中心的な役割を担ってきた。イランはハニヤ氏の暗殺にはイスラエルが関与したと主張し、報復する構えを見せている。【エルサレム松岡大地】