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「ほんまに送っていいの?」 “お手本のように”詐欺防いだ郵便局員


 高齢女性が詐欺に遭うのを防いだとして、大阪府警茨木署(織田博行署長)は茨木沢良宜郵便局(茨木市新和町)の局員、松下哲也さん(28)に感謝状を贈った。SNS(ネット交流サービス)で知り合った人物に送金しようとした女性を説得し、寸前で翻意させたという。

 署や松下さんによると、6月24日午後2時ごろに80代の女性が焦った様子で来局した。女性は窓口にいた松下さんに「送金をしてほしい」と告げ、口座番号だけが記されたメモを渡した。

 松下さんが送金相手を尋ねると、女性は「航空会社」と答えた。しかしメモにあった口座番号は個人名義で、詐欺を疑った。送金を急ごうとする女性を「送り先は合ってますか」「ほんまに送っていいの?」などと説得。「おかしいから一回、警察を呼んでいいですか?」と語りかけ、送金を取りやめることに納得してもらった。すぐに110番し、女性はだまされかけていたことが捜査で判明した。

 女性は、中東で暮らす日本人と名乗る人物とSNSで5月末に知り合った。やりとりを重ねる中で、次第に相手に親近感を抱くようになった。郵便局を訪れた日は、相手から「住んでいる場所が危ないから日本に行きたい」と頼まれ、渡航費用として約40万円を指定口座に振り込むよう指示されていたという。

 茨木署で7月31日に感謝状の贈呈式があり、織田署長は「窓口担当者のお手本のような対応。松下さんの人柄によるお手柄です」とたたえた。詐欺を防いだのは初めてという松下さんは「たいそうなことをしたつもりはない。お客さんのお金を守れたことに、ほっとしています」と話していた。【岩本一希】

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