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イスラエルがレバノン首都を報復攻撃 ヒズボラ司令官を殺害か


 イスラエル軍は30日、レバノンの首都ベイルート郊外で、親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラの司令官を標的に空爆を実施したと発表した。軍は司令官を殺害したとしている。イスラエルが占領するゴラン高原では、27日にヒズボラによるとみられるロケット弾攻撃で子供12人が死亡しており、イスラエルが報復に踏み切った形だ。

 ロイター通信によると、大きな爆発音が響き、黒煙が上がった。空爆で集合住宅に出ている模様だ。レバノン保健省によると、3人が死亡、74人が負傷した。

 イスラエルが標的にしたヒズボラの司令官は、フアド・シュクル氏。1983年にベイルートで米海兵隊の宿舎に自爆テロを仕掛け米兵241人を殺害した攻撃に関与したとされる。米国務省は最高500万ドル(約7億6400万円)の報奨金を用意し、情報提供を呼びかけていた。イスラエルはシュクル氏がゴラン高原への攻撃にも関与したとみており、ガラント国防相は「ヒズボラはレッドラインを越えた」とX(ツイッター)に投稿した。

 攻撃を受けて、ヒズボラの幹部は「民間人がいる地域を標的にしたのは愚かな行為だ」と指摘。イスラエルに対し「遅かれ早かれ、高い代償を払うことになるだろう」と警告した。

 昨年10月にパレスチナ自治区ガザ地区で戦闘が始まって以降、イスラエルとヒズボラは攻撃の応酬を続けており、事態の悪化が懸念されている。ゴラン高原でのロケット弾攻撃を巡っては、ヒズボラは関与を否定しているが、イスラエルや米国はヒズボラによる攻撃だと断定していた。

 米国のハリス副大統領は30日、「ヒズボラはテロ組織であり、イスラエルには自衛する権利がある」と強調する一方、「外交的な解決に取り組まなければいけない」と述べた。米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官も「米国はイスラエルとヒズボラとの戦争が回避できないとは考えていない」と説明し、外交的な解決に向けた努力を続けると強調した。【エルサレム松岡大地、パリ金子淳、ワシントン松井聡】

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