千葉県警船橋東署は16日、遮断機が下りた踏切で立ち往生していた高齢男性を助けた看護師、託見薫歩(かほ)さん(22)=白井市=に感謝状を贈った。託見さんは「とにかく助けたいという気持ちしかなかった」と振り返った。
同署などによると、4月16日午後7時45分ごろ、船橋市内の踏切内で立っていた80代男性を帰宅途中で歩いて通りかかった託見さんが発見。遮断機が下り始めたが、男性は立ち尽くしたままだった。
周囲には他に通行人がおらず、託見さんは「自分が助けなきゃ」と感じたという。自身の安全を確認しつつ、遮断機をくぐって男性を連れ出した。
男性は救出後、「帰りたい」と言ったものの、住所を伝えられない様子だった。託見さんは「案内人を呼びます」と声を掛け、近くの交番に連絡。警察官が来るまで一緒に待ち、男性は無事、帰宅できたという。
贈呈式で同署の勝又憲彦署長は「勇気を振り絞って実行してくれたことに感謝したい」とたたえ、託見さんは「救うことができて素直にうれしいです」と笑顔で話した。【林帆南】