岐阜県池田町の岡崎和夫町長(76)が女性職員15人にセクハラ行為をしたと第三者調査委員会から認定された問題で、岡崎町長が25日、町議会議長に辞職願を提出して受理された。その後の記者会見で岡崎町長は「自身の身勝手な言動に自戒の念がある。職員に申し訳ない」と謝罪した。
26日の臨時町議会で辞職の同意が得られれば、6月上旬にも出直し町長選が告示される見通し。岡崎町長は「出馬しない」と明言し、政界引退を示唆した。
報告書で15人への行為がセクハラ認定された点について、岡崎町長は「はっきりとは思い出せないが、相手が言っているなら認めざるをえない」と事実関係をおおむね認めた。その上で「池田町の名に傷をつけた。住民に申し訳ない。(自分は)裸の王様だった」などと陳謝。特定できる被害者2~3人に対し「何らかの形で謝罪したい」と述べた。
報告書には、町長が1人の女性に対し「服の上から陰部などを触るなどの行為があったが、その後被害者と示談した」との指摘もあった。この件については「お答えできない」と説明を拒んだ。
また第三者委の調査委託料(約800万円)については「自分が負担する考えは持っていない」と強調。退職金は「一旦受け取った上で、町への寄付も検討したい」とした。
岐阜県の古田肇知事は25日の定例記者会見でこの問題に触れ、「職場でのハラスメントはあってはならない。トップに立つ方の(資質の)問題であり、誠に残念」と苦言を呈した。【太田圭介】