静岡県の川勝平太知事が退職届を出したことについて、長崎幸太郎山梨県知事は10日、定例記者会見で「本人が熟考された結論だと思うので尊重したい」と話した。
長崎知事は、静岡県とは良好な関係にあるとの認識を示し、川勝知事に「深く感謝している」と述べた。就任直後に川勝知事と初めて会った時のやりとりも披露。当時、中部横断自動車道の山梨県負担額が164億円とされ、「県内で大きな問題になっていたことを話題にすると、大変驚いて静岡県で半分負担してもいい、と話された。気持ちだけいただいたが、そんな心配りをしていただいた」と振り返った。
一方、静岡県のトップが交代することによるリニア工事への影響については「本質的な問題は、静岡県の皆さんの自然環境に対する影響への懸念が払拭し切れていないところにあると思う」と指摘。静岡県に対し懸念点を沿線自治体に示すことを求め、その情報を自治体間で共有して「解決策を見いだし、アクセルを踏むことで進展していくことになる」と期待を込めた。【佐藤薫】