米国のトランプ前大統領と一族が経営する企業が保有資産の価値を過大申告し、不当に利益を得たとして、ニューヨーク州の裁判所がトランプ氏に4億5400万ドル(約684億円)の支払いを命じた民事訴訟で、控訴中の同氏は19日、命令の執行猶予に必要な保証金を用意するため「(不動産などの)資産を抵当に入れるか、破格の値段での売却を余儀なくされるだろう」と不満を表明した。
自身が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を通じての発信で「魔女狩りだ!」などとも書き込んだ。
この訴訟は同州司法長官が提起し、今年2月の1審判決はトランプ氏に3億5490万ドルの支払いを命じた。利息を含めた額は4億5400万ドル。執行猶予には、今月25日までに全額分を保険会社に保証してもらうか、現金で預託する必要がある。
トランプ氏側が18日に高裁へ提出した文書によると、保険会社から保証を取り付けるためには5億5700万ドル相当の担保が必要という。だが、不動産は担保として受け入れられないため、保有資産の一部売却を検討しているとみられる。【ニューヨーク中村聡也】