茨城県警は、ネット交流サービス(SNS)を使った投資勧誘を装う「SNS型投資詐欺」と、マッチングアプリなどで恋愛感情を抱かせ金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害が2023年に県内で計115件あり、被害総額が計約13億円に上ったと発表した。警察庁の集計に合わせて県内で初めてまとめた。
県警によると、SNS型投資詐欺の認知件数は78件、被害額は約9億円。ロマンス詐欺は37件で約4億円だった。ロマンス詐欺でも恋愛感情を抱かせた上で投資を誘うケースが6割近くを占め、いずれも投資ブームを背景に全国的に問題になっている。
被害者は30~60代が全体の約9割を占めた。とりわけ50代が全体の3割と最も多く、息子や孫を装うオレオレ詐欺のような特殊詐欺と比べるとやや年齢層が低い世代が被害に遭っている。
23年の特殊詐欺に比べると認知件数は約半分だが、被害総額は約2・5倍で、長期間だまされ複数回にわたり振り込むことで被害額が大きくなるのも特徴という。県北地域の50代女性は、マッチングアプリで知り合ったドイツ在住の日本人を名乗る人物から投資取引サイトを勧められ、指定された口座に19回にわたって計約1億2300万円を振り込み、だまし取られた。
県警は、「もうけ話やSNSを通じて知り合った人を信じて安易に現金を振り込まないように」と注意を呼び掛けている。【西夏生】