東京都立川市で7日に始まった第73期ALSOK杯王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第4局で、藤井聡太王将と菅井竜也八段が選んだおやつに注目が集まっている。
提供しているのは対局会場の「オーベルジュときと」(同市)。藤井王将が選んだ「練り立てわらび餅 メープルきな粉と黒蜜」は、リキュール入りで洋のテイストが入ったさわやかなわらび餅が特徴だ。
和菓子を考案した田頭未来さんは和菓子職人ではなく料理人として勤務しており、「野菜を使った和菓子」をコンセプトにメニューを考案したという。メニューの一つ「苺(いちご)大福と牛蒡(ごぼう)のかりんとう」は同市産のいちご「よつぼし」を使用した。田頭さんは「藤井さんは過去の対局でも和菓子を選ぶことが多い印象。他の料理店との違いが伝わったらうれしい」と話した。
一緒に選ばれた「狭山茶ほのか」は、同市の茶屋「狭山園」が提供しており、同社の池谷香代子・代表取締役は「甘味とコクの効いたインパクトのある味で、和菓子に丁度いい。選んでいただいてありがたい」と話す。
一方、菅井八段が選んだ「“ガリガリ”シュークリーム」は焼き立てのシューにナッツを合わせ、1時間かけてじっくり焼くことでカリカリとした触感を長時間、維持できるという。
これら洋菓子を担当したペストリーシェフの黒岩加奈子さんは「これまでの対局に多かったかわいらしい見た目よりも味にこだわった」と自信を見せる。どのメニューにも使用しているのは同市の「伊藤養鶏場」の卵で、黄身の色と味が濃いことが特徴。シュークリームは「焼き立て」の提供にこだわり、対局室に運ばれる2分前にクリームを入れて完成させた。
第4局で提供されるおやつは同施設の茶房で「茶請箱」として10日以降、一般向けに提供される。期間限定で完全予約制で受け付けるという。詳細は後日、オーベルジュときとのホームページ(https://www.aubergetokito.com/)で。【的野暁】