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スウィフトノミクス、東京公演で日本にも 経済効果341億円試算


 米国の人気歌手、テイラー・スウィフトさんの来日公演の経済効果は341億円――。7~10日に東京ドーム(東京都文京区)で開かれる公演について、調査サイト「経済効果・NET」が算出した。大盛況だったスウィフトさんの2023年の全米ツアーは、米国内総生産(GDP)の押し上げに貢献したとされ、その影響力から「スウィフトノミクス」と言われるほど。来日直前の日本時間5日には、米音楽界の祭典グラミー賞で歴代最多となる4回目の「年間最優秀アルバム賞」を受賞するなど、話題に拍車がかかっている。

 経済効果・NETがチケットやグッズの販売、交通費などのファンの直接的な消費から、公演に関係するものの原材料費などの間接的な波及効果までを推計し、算出した。公開されていないデータは、同サイトが過去に分析した音楽イベントなどをもとに推定したという。

 4日間のチケットは完売し、入場者数は22万人が見込まれていることから、チケット販売約54億円▽グッズ販売約34億円▽来場のための宿泊費約10億円▽交通費約8億円▽主催者の事業費約40億円――などの直接効果が計約156億円あるとし、これに間接効果として計約183億円を見込んだ。観客1人当たりの経済効果は約15万円と試算した。

ドームで単一開催 交通・宿泊利用

 同サイトの主任研究員、江頭満正氏は「チケット販売に対する経済波及効果は6・3倍に上る。音楽イベントとして優秀な経済活動」と評価する。

 経済効果を押し上げた要因のひとつは東京ドームでの単一開催だという。東京を目指して全国からファンが足を運ぶため、交通費が高くなり、コンサート前後に宿泊施設の利用も考えられる。

 もうひとつの要因が、高額チケットだ。東京ドームで開催されるソロアーティストのチケット相場はアリーナ席で1万~1万5000円程度。一方、スウィフトさんのチケット価格は税込みでアリーナ席は3万円、ステージに最も近いVIP席では12万2800円にも上る。

グッズ売り上げ増や訪日客効果も

 そして、江頭氏は試算した経済効果を上回る可能性も示唆する。グラミー賞受賞のタイミングと重なったことから「受賞年が入ったグッズの売り上げが予想より伸びる可能性がある」という。

 今回の経済効果は、日本国内に住む人の利用だけを対象に試算している。「インバウンド(訪日外国人)を呼び込み、観光などにつながれば、波及効果はさらに大きくなることが考えられる」(江頭氏)という。

 米調査会社クエスチョンプロの試算によると、23年の全米ツアーの経済効果は50億ドル(約7400億円)とされている。【嶋田夕子】

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