山梨県の長崎幸太郎知事が代表を務める資金管理団体が派閥からの現金1182万円を政治資金収支報告書に収入として記載していなかった問題で、市民団体は30日、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の疑いがあるとして、知事と当時の会計責任者を甲府地検に刑事告発した。地検は内容を精査した上で受理するかを判断する。
告発状によると2019年8月ごろ、知事らは、自民党の派閥「志帥会」から政治資金パーティー券の販売ノルマを超えた一部である現金1182万円を受領したが、19年分の報告書に記載せずに提出したとしている。
告発人代表の税理士、山本大志さんは知事が受け取りを認識しながら放置し、知事の指示による不記載が明らかなどと指摘。「『預かり金的なもの』と認識したというが、それで不記載が免責されることはない。本当に金庫に保管されたままだったのか真相究明が必要だ」と説明した。
現金は約5年間事務所の金庫で保管。20日に記者会見した知事は、修正可能な20年以降にさかのぼり訂正し、謝罪している。【大和田香織】