ツケ払いの「売掛金」を支払わせるため女性客に売春を強要したとして、警視庁保安課は24日、東京・歌舞伎町（新宿区）のホストクラブ従業員、加藤勝理容疑者（27）＝住所不詳＝を強要容疑で逮捕したと発表した。加藤容疑者は、勤務先のホストクラブの客だった当時22歳の女性を「お前がちゃんと立っているか監視する」などと脅し、スマートフォンの全地球測位システム（GPS）機能を使って監視したうえで、歌舞伎町の大久保公園周辺で客待ち行為をさせていたという。
逮捕容疑はホストだった2023年5月3日、女性客に「売掛金が払えないなら大久保公園に立って体を売って支払え」などと言い、応じなければ危害を加えると脅して、売春するよう強要したとしている。保安課によると、「期限までに売掛金を回収しないと給料が減ってしまい、生活的に厳しかった」と容疑を認めている。逮捕時は同じ勤務先で従業員として働いていたという。
保安課によると、女性は21年秋ごろから、月に3回ほどのペースでホストクラブに通い、加藤容疑者を指名していた。売掛金21万円が支払えずに店に通わなくなったが、加藤容疑者と偶然会った際に支払いを要求され、23年5月3～5日に大久保公園で客待ち行為をしていたという。売春で得た売り上げ6万円は、全額が加藤容疑者に渡っていたという。
警視庁は23年9～12月、大久保公園周辺で女性ら95人を売春防止法違反（客待ち）容疑で逮捕していた。このうち、約4割がホストクラブなどの遊興費を稼ぐ目的で客待ちをしていたことが判明している。【加藤昌平】
