長崎幸太郎・山梨県知事は20日、同県富士吉田市の事務所で記者会見し、自ら代表を務める資金管理団体「日本金融経済研究フォーラム21」の政治資金収支報告書に、知事が所属する自民党二階派(志帥会)から受け取った1182万円を収入として記載していなかったことを明らかにして、謝罪した。【大和田香織】
知事によると、不記載だったのは、2019年分~22年分の報告書。19年5月の志帥会のパーティー券の売り上げ1774万円全額を志帥会の銀行口座に送金。志帥会からは売り上げノルマの超過分の一部の500万円が寄付された。その後、別に1182万円が現金で渡されたという。
1182万円の取り扱いについては、追って連絡すると説明され、指示を待っていたが、積極的には問いあわせず「預かり金的なもの」として金庫に保管していたという。知事は「収支報告書に『預かり金』の項目がなく、コロナ禍もあり放置したまま失念していた」と釈明した。
1182万円は、訂正が可能な20年以降の報告書で、繰越金の残額として19日に修正処理をした。寄付500万円は19年の報告書に記載している。
長崎知事は「5年間預かったまま異例の状態で、確認するべきだった。深く反省している」と謝罪した。管理体制の見直しや会計責任者の交代を進めると同時に、自身のパーティー開催について「一旦立ち止まり真摯に考える」と話している。