ロシアのプーチン大統領は6日、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを歴訪し、首脳会談を行った。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国への影響力拡大を狙うプーチン氏は、中東諸国との関係を深め、ウクライナでの「特別軍事作戦」で対立する欧米に対抗したい構えだ。
タス通信によると、会談は、ほとんどが非公開で行われた。パレスチナ問題などが協議されたほか、インタファクス通信によると、サウジのムハンマド皇太子との会談では、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラス内で国際エネルギー市場を巡って引き続き協力していくことも協議した。ペスコフ大統領報道官の話として伝えた。
プーチン氏は7日、イランのライシ大統領ともモスクワで会談する。UAE、サウジ、イランの3カ国は、いずれも中露など新興5カ国(BRICS)による8月の首脳会議で、来年1月の新規加盟が認められた。ロシアは来年のBRICSの議長国。
プーチン氏の外国訪問は、3月にウクライナ問題を巡って国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されて以降、旧ソ連諸国を除くと10月の中国訪問以来。UAEとサウジのいずれもICCには加盟していない。【山衛守剛】