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震度1以上観測なく津波注意報、なぜ? 火山活動の可能性


 伊豆諸島の鳥島近海を震源とする9日の地震では、震度1以上を観測した地域がないまま、各地に津波注意報が出された。気象庁は津波の原因となる地震の詳細は不明としているが、専門家は噴火など火山活動の可能性を指摘する。

 気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)はわかっていない。記者会見では「地震の揺れを観測しているのは事実だが、火山の噴火なのか地殻変動なのか原因はわかっていない」と説明した。

 津波のメカニズムに詳しい東北大学の今村文彦教授(津波工学)は、60センチの津波を観測した地域もあることから、「揺れの規模は小さいが、津波のエネルギーは決して小さくはない」と、特殊な状況だったとみている。

 その上で、今村教授は、津波が比較的短い周期で押し寄せる短周期のものであり、狭い範囲の場所で津波を発生させる異変が起きたとみられると指摘。「可能性の一つとして海域での火山性の噴火が考えられる」と分析している。

 気象庁によると、海域で観測施設が少なく、地震自体の規模も小さいとみられるため、午前11時時点でマグニチュードは調査中で決められていないという。衛星観測では、震源付近は雲に覆われており、雲を突き抜けるような噴煙は確認されていないという。

 海底火山の噴火では、2022年1月に南太平洋のトンガ沖の大規模な噴火で、日本でも潮位変化が観測された。【山口智】

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