starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

断熱効果高いはずが「夏は非常に暑い」 低炭素マンションの住民提訴


 ずさんな施工で防火・断熱・遮音構造に不備があるマンションを建設、販売したとして、北九州市小倉北区城野団地のマンション「シティガーデン ボンジョーノ」の住人8世帯9人が29日、販売主の「東宝ホーム」(同区)や飯塚市の施工業者らに補修工事費用など計8000万円の損害賠償を求め、福岡地裁小倉支部に提訴した。

 マンションは、二酸化炭素(CO2)の大幅削減を目指す地区として北九州市などが整備した「城野ゼロ・カーボン先進街区」に、2017年に完成。3棟に60世帯が入居でき、設計上、高い断熱性能を持つなどとして、国が定める「低炭素建築物」認定を市から取得している。

 提訴後に記者会見した原告の住人男性(53)によると、調査会社に依頼して欠陥を調べたところ、断熱材の厚さが販売パンフレットや竣工(しゅんこう)図記載の半分ほどしかない部分があるなどの問題が発覚。さらに、キッチンの排気ダクトが市の火災予防条例に違反する形状であることも市消防局の立ち入り検査で判明した。東宝ホームは住人に対して「不備はない」と説明しているという。

 訴状では、東宝ホームらは故意または重大な過失で注意義務を怠り、設計内容と異なるずさんな施工で建設したと主張。「望むのは金銭賠償ではなく、一日も早く是正されること」と付言している。

 男性は「夏は非常に暑く冬は非常に寒い。図面通りに回復してもらいたい」。騒音に悩んでいるという別の原告男性(41)は「当たり前の生活を取り戻したい」と訴えた。代理人弁護士は「内装の裏側の施工はブラックボックス。同じ問題は日本中にあるはずだ」と投げかけた。

 市は問題を受け、マンションが低炭素建築物の基準を満たしているか、東宝ホームに報告を求める通知を9月上旬に出し、今後、東宝ホームによる調査に立ち会う方針。東宝ホームは取材に「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【成松秋穂】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.