中国内陸部の山西省右玉県で8月、「万里の長城」の城壁の一部を重機で破壊したとして男女2人が拘束された。2人は「近道を作るためだった」と話しているという。国営中国中央テレビ(CCTV)は「万里の長城に取り返しのつかない損傷を与えた」と伝えた。
中国メディアによると、8月24日午後、地元公安当局に「万里の長城に裂け目ができている」と通報があった。管理者らが駆けつけると、城壁が車がすれ違えるほどの幅で削り取られていたという。
公安当局は捜査の上、隣接する内モンゴル自治区の男女2人を拘束した。2人は長城近くの工事現場で作業していた際に「近道をするために掘削機で削った」と認めているという。
破壊された長城は、明代(1368~1644年)に建設された「三十二長城」で、城壁やのろし台などが良好な状態で残っていることから、山西省の文化財に指定されている。【北京・岡崎英遠】