1日に4000歩程度を歩くだけで、歩かない場合よりも死亡リスクを減らす効果があるとの研究結果が発表された。ポーランドのウッジ医科大の研究チームが、世界の約22万7000人を対象に平均7年間実施された先行研究データを分析した。英BBC放送は「1日1万歩が健康維持に必要な魔法の数字と言われて久しいが、新たな研究によると、5000歩未満でも効果が期待できる」と伝えた。
研究結果は8月上旬、欧州心臓病学会が発行している医学誌に掲載された。1日約4000歩で、あらゆる原因による死亡リスクが減少し始めるという。心筋梗塞(こうそく)などの心血管疾患による死亡リスクについては、約2300歩で効果が出るという。
4000歩から2万歩まで歩数が増えるごとに死亡リスクは下がり、歩けば歩くほど効果は上がる。一方で効果が頭打ちになる歩数の「上限」は不明という。
歩行による健康効果は、年齢や性別、居住地域に関係なく認められた。
同学会によると、近年は新型コロナウイルスの流行で世界の人々の身体活動が低下しており、現在も大半の人はコロナ流行前の運動量に戻っていないという。【ロンドン篠田航一】