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園バス5歳熱中症死訴訟 遺族が園側と和解、両親に賠償金 福岡


 福岡県中間市の双葉保育園で2021年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5歳)が送迎バスの車内に置き去りにされ、熱中症で死亡した事件で、母親と父親が園を運営する社会福祉法人「新星会」などを相手取り計約1億円の損害賠償を求めた訴訟は9日、福岡地裁小倉支部(渡部孝彦裁判官)で和解が成立した。園側がそれぞれに賠償金を支払う内容。賠償額について、母親側と父親側は共に明らかにしていない。

 母親は法人とバスを運転した当時の園長に計約5400万円を、父親は法人と当時の園長、降車の補助を担当した保育士に計約4600万円の支払いを求めて22年12月までに提訴。23年2月に第1回口頭弁論があり、3月から併合審理されていた。園側は賠償責任を認めた上で、損害額について争っていた。

 母親側の訴状によると、当時の園長は園児の安全を管理する注意義務があったにもかかわらず、バス内の確認が不十分なままドアを施錠して立ち去ったと指摘。法人には使用者責任があると主張していた。

 刑事裁判では、降車確認を怠ったなどとして当時の園長と保育士が業務上過失致死罪に問われ、福岡地裁が22年11月、2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡して確定した。【成松秋穂】

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