トランプ氏の機密文書持ち出し巡る問題 2024年5月に初公判

　米南部フロリダ州の連邦地裁は21日、機密文書の自宅への持ち出しを巡ってスパイ防止法違反罪に問われたトランプ前大統領の初公判を2024年5月20日に開くと決めた。米メディアが報じた。24年11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏は、公判を選挙後に先送りするよう求めていたが、党候補指名争いの最中に裁判が本格化することになった。

　検察側は迅速な裁判が必要だとして23年12月に公判を始めるよう求めていたが、連邦地裁のキャノン判事は「証拠が膨大だ」などとして、双方の主張の間をとって24年5月とした。ただ、公判前整理手続きの状況次第で、初公判は延期される可能性もある。

　共和党の候補指名争いは24年1月に始まり、7月の党大会で正式に候補が決まる予定だ。トランプ氏は、24年3月に不倫関係を主張する女性への口止め料支払いを巡る財務記録改ざん事件の初公判を控えており、複数の事件を抱えながら選挙運動することになる。21年の連邦議会襲撃事件や20年の大統領選の敗北を覆そうとした疑惑を巡って、さらに2件起訴される可能性がある。【ワシントン秋山信一】