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中部電力パワハラ自殺、遺族と会社が和解 損害賠償訴訟


 中部電力三重支店に勤務していた鈴木陽介さん(当時26歳)が2010年、上司のパワーハラスメントや過重業務によって自殺した問題を巡り、遺族が中電に約4700万円を求めた訴訟は18日、名古屋地裁で和解が成立した。中電が謝罪し、和解金を支払う。

 訴状によると、鈴木さんは10年4月に入社し、顧客法人に対する技術サポートを担当していたが、指導や助言がないまま難易度の高い業務を複数任せられたうえ、上司からの叱責が心理的負荷となり精神障害を発症。同10月に自殺した。

 遺族は津労基署に労災を申請したが、署は14年9月に不支給を決定。遺族が処分取り消しを国に求めた訴訟では、1審名古屋地裁が請求を棄却したが、2審高裁は労災と認め、判決が確定した。

母「謝罪してもらえて良かった」

 18日に記者会見した母親の吉田典子さん(61)は「(会社に)謝罪してもらえて良かった。社会に出る人には、自分の心を守ってと伝えたい」と話した。中部電力は「大切な社員の命が失われたことは痛恨の極み。二度と起きないよう不断の努力をする」とコメントした。【田中理知】

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