「津波だ、避難場所へ」 岩手・釜石の小中学生230人が訓練

　岩手県釜石市の市立鵜住居（うのすまい）小学校と釜石東中学校が8日、合同で下校時の津波避難訓練を実施した。隣接する両校は東日本大震災で当時の校舎が全壊し、学校がある地域は600人超の犠牲者が出た。訓練は今後予想される巨大地震に備え、校外でも迅速に行動できるようになるのが目的で、児童生徒約230人が高台の避難場所に向かった。

　日本海溝沿いで巨大地震が発生し、三陸沿岸に大津波が押し寄せるとの想定で、訓練は午後3時前に始まった。小学生は地域ごとに集団下校し、中学生は各自帰宅する途中、緊急地震速報の放送に合わせて身をかがめて頭を守った。2分後に大津波警報が放送されると、それぞれの自宅に近い避難場所十数カ所に向かった。

　日向（ひかた）地区の児童生徒は、学校から1キロほど離れた三陸自動車道脇の避難場所を目指して階段を駆け上がった。6年生の大瀬虎汰朗さんは「放送に合わせて行動できた」と振り返った。佐藤一成校長は「訓練で見つかった課題を基に、より良い避難行動が取れるようにしたい」と語った。【奥田伸一】