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熊本女性殺害、容疑者につながる手がかりなく 繁華街の一角で何が


 熊本市中央区南坪井町の雑居ビルで、全身を布で巻かれた同区南千反畑町の派遣社員、辰島ありささん(29)の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件は、5日で遺体発見から1週間。熊本県警は捜査本部を設置し、100人態勢で捜査しているが、容疑者の特定につながる有力な手がかりはつかめていない。人通りがあり、防犯カメラも多く設置された繁華街の一角で何があったのか。謎は多い。

未明に消えた足取り

 辰島さんは5月29日午後8時45分ごろ、ビルの空きテナントで全身を大きな布で巻かれ、床に横たわった状態で死亡しているのが発見された。前日の28日午前1時ごろ、現場から南に約1キロ離れたアルバイト先を出て、同居する交際相手にSNS(ネット交流サービス)で「帰る」とメッセージを送った後、連絡が取れなくなった。直近で事件に結びつくようなトラブルなどは確認されていないという。

 現場はアルバイト先から自宅までの間にある。付近を1人で歩く姿が防犯カメラに映っており、帰宅途中に事件に巻き込まれ、ビル内で殺害された可能性が高い。死亡推定時刻は28日午前だった。履いていた靴は現場になく、退勤時に持っていたバッグや携帯電話、財布など所持品も見つかっていない。熊本県警は殺害に関与した人物が意図的に持ち去った可能性もあるとみている。

上層階にどう侵入?

 遺体が見つかったビルは8階建てで、1、2階には店舗が入り、3~6階は住居だ。7、8階は以前カラオケ店だったが、現在は空きテナント。関係者によると、県警は7階を中心に鑑識作業をしており、遺体はそのあたりで見つかったとみられる。

 ビルの住人は「1階から7、8階直通のエレベーターもあるが、普段は使えない」と明かし、「どうしてあんなところで遺体が見つかったのか」といぶかる。非常階段で7階に上る方法もあるが、「非常階段から7階フロアに通じる扉は通常、鍵がかかっていた」と話す住民もいる。容疑者はこのビルの事情に精通した人物の可能性もある。

 遺体の状況にも謎は多い。辰島さんの死因は司法解剖の結果、窒息死と判明。捜査関係者によると、目立った外傷はなく、首を強く絞められるなど暴行を受けたような跡も見られなかった。全身を布で巻かれていた理由もよく分からない。

防犯カメラ解析急ぐ

 辰島さんの足取りが途絶えたのが未明だったとはいえ、周囲には防犯カメラが多く設置され、一定の人通りもあったとみられる。捜査本部では現場周辺での聞き込み捜査とともに、28日未明に近くで防犯カメラの映像に映った人物の洗い出しを進めている。捜査幹部の一人は「異様な様態の事件だが、一日も早く容疑者を検挙したい」と話す。

 辰島さんと高校時代に同級生だった熊本市の女性(29)は「優しくてかわいらしい子だった。事件に巻き込まれたなんて信じられない。謎が多い事件だが、とにかく早く犯人が捕まってほしい」と話した。【野呂賢治、山口桂子】

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