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「ナスカの地上絵」AIで四つ特定 「人間なら20年かかる」山形大


 南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」について、山形大ナスカ研究所と日本アイ・ビー・エム(IBM、東京)が共同で、AI(人工知能)の深層学習(ディープラーニング)技術を活用して、四つの地上絵を特定した。山形大が1日発表した。既存の地上絵をコンピューターに学習させることで、航空写真の中から自動的に新たな地上絵の候補地を見つけることができるモデルを確立した。

 同大は2004年から地上絵の研究を開始。12年には現地にナスカ研究所を設立し、これまでに358点の地上絵を発見した。ただ、広大なナスカ台地から新たな地上絵を捜索するためには、航空写真から肉眼で手がかりを探す必要があり、効率化が課題だった。

 同大と日本IBMの研究グループは18年から、ディープラーニングの技術を活用し地上絵を特定する実証実験をスタートした。具体的には、既に知られている地上絵の画像を細かく分割したデータを用意。コンピューターがデータから特徴を学習し、地上絵を自動的に検出できるモデルを作成した。

 このモデルを使って航空写真を分析することで、地上絵の候補地を認識できるようになり、研究者らが候補地を現地調査。19年に人型の地上絵、その後新たに3点をそれぞれ特定することに成功した。

 共同研究の成果は1日、考古学の国際学術誌(電子版)に掲載され、AIが特定した四つの地上絵のうち、鳥、魚、脚の三つの画像が初めて公開された。同大の坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)は「人間の力だけでは20年以上かかる作業がAIを使えば1年でできるとわかった。地上絵の研究がさらに加速する」と説明した。【神崎修一】

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