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叔母の延命治療中止を要望 容疑者、タリウム投与事件発覚懸念か


 毒性の強いタリウムを叔母(61)に摂取させたとする殺人未遂容疑で再逮捕された宮本一希容疑者(37)が2022年11月、意識不明となっている叔母の入院先を訪れ、延命治療の中止を求めていたことが捜査関係者への取材で判明した。当時は宮本容疑者の知人の女子大学生が不審死し、大阪府警から事情を聴かれていた時期で、叔母の状態を知られることを恐れたとみられる。

 宮本容疑者は22年10月、この大学生をタリウムで殺害したとする殺人容疑で23年3月に逮捕、起訴された。その後の捜査で叔母にもタリウムを摂取させていた疑いが浮上し、府警は24日に宮本容疑者を殺人未遂の疑いで再逮捕した。

 叔母は20年7月中旬にタリウムを摂取させられたとされ、自発呼吸もできない重篤な状態が続く。捜査関係者によると、叔母の入院先に姿を見せた宮本容疑者は22年11月、「叔母を楽にしてあげたい」などと述べ、人工呼吸器装着などの延命治療の中止を要望したが、病院に断られたという。この前月の10月、容疑者と一緒に酒を飲んでいた大学生が重度の呼吸不全に陥って死亡した。尿や吐しゃ物から致死量を超えるタリウムが検出され、容疑者が捜査対象になった。府警は、叔母の事件も発覚することを懸念し、捜査が進まないように叔母の延命措置を終わらせようとしたとみている。

 宮本容疑者は叔母が倒れた後の20年10月、叔母が経営する不動産会社の代表取締役に就いた。その後、叔母名義のマンションが転売されたり預金約5000万円が引き出されたりしていた。

 宮本容疑者は26日、大阪地検に送検された。大学生への殺人容疑で逮捕されて以降、黙秘を続けているという。【郡悠介、洪玟香】

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