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アメリカ、中国に国防相会談を打診 回答なく実現は見通せず


 オースティン米国防長官は6月2~4日にシンガポールで開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に出席する。米側は中国に対し、現地で李尚福(りしょうふく)国務委員兼国防相と会談したいと打診しているが、中国側から回答は来ておらず、実現は見通せていない。

 ペロシ下院議長(当時)による昨年の台湾訪問や、今年2月に米国が領空に侵入した中国の偵察気球を撃墜したことが影響し、緊急事態に備えた米中の国防当局間のホットラインは機能していない。米側は中国との関係改善を模索。ラトナー米国防次官補(インド太平洋安全保障担当)によると、米政府は数週間前、李氏との会談を打診したが、中国から回答は来ていない。

 会談のハードルになっているのが、李氏に対する米国の制裁だ。李氏は、共産党中央軍事委員会・装備発展部長だった2018年9月、ロシアからの武器購入を巡って米国の制裁対象者と密接なやりとりをしたとして、米査証(ビザ)発給停止などの制裁対象となった。

 中国政府は、会談実現に向けた環境整備として、李氏への制裁の解除を求めている。バイデン米大統領は21日の記者会見で、李氏の制裁解除について「現時点で交渉中だ」と述べた。しかし、米国務省のミラー報道官は22日の記者会見で「制裁解除は検討していない」と否定している。

 中国外務省の毛寧副報道局長は26日の記者会見で「米国は対話をしながら、中国の利益を損ねることはできない」とくぎをさした。強気の姿勢の一方で、25日に米中商務相会談が米国で実施されるなど高官同士の対話が動き出している。新任の謝鋒(しゃほう)駐米大使も、米中関係を「正常な軌道に戻すことを望む」と述べて、前向きなシグナルを送っている。

 中国にとっても対米関係の不安定化は経済や外交の重荷だ。11月には米国でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれ、習近平国家主席が出席する可能性がある。トップ外交の環境整備に向け、両国の駆け引きが続きそうだ。【ワシントン秋山信一、北京・河津啓介】

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