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菅前首相が勝負を懸けたワクチン接種「収束する確信あった」


 菅義偉前首相は安倍晋三政権の官房長官、その後首相として、2021年夏のデルタ株による「第5波」まで、政権中枢で新型コロナウイルス対策の陣頭指揮を執ってきた。ワクチン接種に懸けるも評価されず、土壇場で退陣に追い込まれたあの夏――。新型コロナが「5類」となった今、去来する考えとは。

 ――新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行した8日を、どのような思いで迎えましたか。

 ◆ようやくここまで来たかと、非常に感慨深いものがありました。(政府の有事対応は)いつ終わってもおかしくない状況がずっと続いていましたが、(岸田文雄政権は)慎重にされたのだろうと思います。

 専門家の皆さんは常に慎重です。私の時は厳しい感染状況の中、強い措置を求められて、失業させないようにとか事業継続とか、常に同時に頭に置きながらやっていました。

 ――非常時対応が長くなりすぎた、と感じますか。

 ◆世の中の雰囲気からすれば、しょうがないところはありますね。

 ――この3年、日本は結果的に主要7カ国(G7)の中では感染者数、死者数は低い水準でした。

 ◆医療や介護など(命や生活を守る)エッセンシャルワーカーの人たちが一生懸命やってくれたことが、すごく大きいと思います。緊急事態宣言の発令などいろんな対応をしましたが、結果を見ればワクチンに勝負を懸けたのは間違いなかったと思います。

 ――「1日100万回」を掲げてワクチン接種を強力に進めましたが、首相在任中は評価されませんでした。その後、デルタ株の流行は急速に落ち着きましたが、なぜ国民に理解されなかったと考えますか。

 ◆ワクチンは接種してから効果が出るまでに時間がかかりますし、実際の感染状況もしばらくしないと数字に表れない。つまり、ワクチンの効果は1カ月ぐらいたたないと見えてきません。

 そうした中で、8月中は感染者数がなかなか減らず、国民の皆さんも効果が見えなかったんでしょう。ただ、私としては、ワクチン接種が急速に進む中で今後感染が収束していくという確信がありました。【聞き手・横田愛、李舜】

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