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トランスジェンダーのトイレ利用「制限」 判定見直しか 最高裁


 戸籍上は男性で、女性として生きる50代のトランスジェンダーの経済産業省職員が、女性トイレの利用を不当に制限されたとして国に処遇改善を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は25日、弁論期日を6月16日に指定した。結論を変更する際に必要な弁論を開くため、処遇改善を認めなかった人事院の判定を妥当とした2審・東京高裁判決(2021年5月)を見直す可能性がある。最高裁がトランスジェンダーのトイレ利用に判断を示すのは初となる。

 原告側は、トイレ利用の制限で精神的苦痛を受けたとして国に約1700万円の賠償も求めたが、小法廷はこの請求についての原告側の上告は退けた。国家賠償については原告側敗訴とした2審判決が事実上確定した。

 原告は男性として入省後に性同一性障害と診断された。ホルモン治療を受けて女性として生活しているが、健康上の理由で性同一性障害特例法が性別変更の要件とする性別適合手術は受けられず、戸籍は男性のままとなっている。

 原告は09年、女性として勤務したいと経産省に伝えたところ、同省は翌年、女性の服装で勤務することに同意したものの、トイレについては「抵抗を感じる職員もいる」として原告の執務室があるフロアから2階以上離れたトイレを使うよう制限した。原告は13年、人事院に利用制限の撤廃を申し立てたが、人事院は15年に撤廃を認めない判定を出した。【遠山和宏】

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