政府は14日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進本部会合を開き、関係閣僚からの意見を聞いたうえで、大阪府・市が申請していた整備計画を認定した。今後、カジノ免許付与などの手続きが進めば、日本で初めてのIRが誕生する。大阪府・市は2029年秋~冬の開業を目指している。同じく認定の申請をしていた長崎県の計画については、継続審査とした。
会合後に開かれた閣議後記者会見で斉藤鉄夫国土交通相は、担当大臣として認定したことを明らかにし、「IRが日本の魅力を世界に発信する観光拠点となるよう期待する」と述べた。
大阪府の吉村洋文知事は14日、ツイッターで「申請から約1年の審査を経て、大阪IRが正式に国から認定されました。カジノ部分は厳格なルールを適用。大阪ベイエリアに世界最高水準のIRを目指します」と意欲を示した。
大阪府・市の計画は大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が予定地で、カジノ運営大手の米MGMリゾーツ・インターナショナルやオリックスなどが出資する「大阪IR株式会社」がカジノ施設やホテルなどの運営を担う。初期投資は1兆800億円。年間売り上げは5200億円を想定している。
今後、大阪府・市と事業者が実施協定を結び、国の「カジノ管理委員会」が反社会的勢力の排除などの観点から審査をし、事業者にカジノ運営の免許を与えるかどうかを判断する。
長崎県の計画認定は見送られ、継続審査となった。計画では、同県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」の隣接地(約32ヘクタール)にIRを建設し、27年度の開業を目指していた。【高田奈実、高橋祐貴】