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生活保護費の減額 原告側逆転敗訴 大阪高裁決定取り消し認めず


 生活保護費の引き下げは生存権を保障した憲法25条に反するとして、大阪府内の受給者ら約40人が国や大阪市など12の居住自治体に減額決定の取り消しなどを求めた訴訟で、大阪高裁(山田明裁判長)は14日、厚生労働相の判断を違法と認めて決定を取り消した1審・大阪地裁判決を変更し、原告側を逆転敗訴とする判決を言い渡した。

 全国29地裁に起こされた一連の訴訟で2審判決は初めて。1審判決が出ている19件のうち、大阪や熊本、東京の3地裁を含む9件で減額決定が取り消される一方、10件は引き下げを妥当としており、司法判断が真っ二つに割れている。

 国は2013~15年の計3回、生活保護費のうち、日常生活に不可欠な食費や光熱費にあたる「生活扶助費」の基準額を改定。物価の下落を示す独自指数や低所得者世帯の消費実態との比較を基に算定し、平均6・5%、最大10%引き下げた。削減総額は約670億円に上った。各自治体は基準に沿って支給額を変更した。

 訴訟の主な争点は、物価下落率を反映させた「デフレ調整」と呼ばれる基準額の算定方法や厚労相の判断が妥当だったかどうかだった。

 21年2月の大阪地裁判決は、原油や穀物の価格が世界的に高騰した08年を起点に基準額を算定したことで、下落率が大きくなったと指摘。生活保護世帯では支出割合が低いテレビやパソコンなど家電の物価下落を反映させたデフレ調整も「客観的な数値や専門的知見との整合性を欠く」とし、「厚労相の判断に過誤や欠落があり違法」と結論付けた。

 一方で、判決は憲法判断は示さず、受給者らが1人当たり1万円の慰謝料を求めた賠償請求を退けた。受給者側と国・自治体側の双方がこの判決を不服として、高裁に控訴していた。【安元久美子】

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