天皇陛下は11日、皇居・生物学研究所脇の苗代に、うるち米のニホンマサリと、もち米のマンゲツモチの種もみをまかれた。5月に田植えを行い、秋に稲刈りする予定。収穫したコメは11月に皇居で行われる宮中祭祀(さいし)の新嘗祭(にいなめさい)などに使われる。
グレーのジャンパーに紺色ズボン姿の陛下は、苗代の前に腰を落とし、小さな籠から種もみを取って丁寧にまいていた。
昭和天皇の生涯をまとめた昭和天皇実録には、1927(昭和2)年に昭和天皇が赤坂離宮で農業奨励と研究のため、コメの栽培を始めたことが記されている。コメ作りは昭和天皇から上皇さま、天皇陛下へと引き継がれてきた。【高島博之】