学校ではマスクあり? それともなし? 新型コロナウイルス対策の緩和で、児童や生徒に原則、マスク着用を求めない新学期が始まった。3年間に及ぶコロナ禍での生活に慣れたこともあってか、4月に入ってもマスク姿の子どもは依然として多い。感染再拡大への懸念もあり、保護者にとっては状況を見極めながらの対応となりそうだ。
大阪市東成区の市立今里小では10日、2~6年生約120人が始業式に臨んだ。松永かおり校長は「マスクをしなくてもよくなった。手洗いなどの感染対策は続け、安心して学校生活がおくれるよう頑張りましょう」と呼び掛けた。
式では、ほとんどの児童がマスクを着用。6年の女子児童は「外せるようになってもコロナが不安だから着けてきた。マスクで隠れていた口元を見られるのも恥ずかしい」と話した。
一方、マスクを着けずに登校した6年の男子児童は「マスクがないと相手が何を考えているか、表情で分かるので話しやすい。修学旅行ではマスクなしの写真をみんなで撮りたい」と期待に声を弾ませた。
我が子が入学したばかりの保護者も対応は分かれる。7日に入学式があった大阪市鶴見区の市立茨田(まった)西小では、約110人の1年生の半数ほどがマスクなしだった。
ある母親(39)は「小さい子どもはマスクを嫌がる。声も聞き取りづらいし、外していいのなら外させる」と歓迎する。別の母親(33)は「子どもはマスクを着けることが当たり前になっている。感染症対策にもなるので、無理に外させるつもりはない」と話し、しばらくは周りの様子を見るつもりだ。
給食時も不要、混雑した車内では着用推奨
文部科学省によると、4月以降の学校教育活動では原則、児童生徒や教職員にマスクの着用を求めない。換気や人との間隔を空けるなどの対策をとれば、合唱や給食の時もマスクは不要だ。ただ、着脱を強いることがないよう学校側に求め、登下校時の混雑した電車やバスなどでは着用を推奨している。
5月8日からは新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられ、手洗いやうがいなどの徹底を求める季節性インフルエンザ並みの対策に変わる見通しだ。【小坂春乃】