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奈良知事選 維新新人の山下氏が当選確実 自民は分裂、共倒れ


 9日、投開票された奈良県知事選は、日本維新の会新人で弁護士の山下真氏(54)が初当選を確実にした。5選を目指した現職の荒井正吾氏(78)、高市早苗・経済安全保障担当相が支援した元総務官僚の平木省氏(48)らを破った。維新は初めて公認候補を立てた奈良で勝利し、衆院和歌山1区補欠選挙(11日告示・23日投開票)や次期衆院選に弾みを付けた。一方、荒井、平木両氏の推薦を巡って分裂選挙を演じた自民党は、組織や支持層の修復に課題を残した。

 奈良県は北西部を中心に、維新が本拠地とする大阪への通勤・通学者が多く、近年同党の浸透が進む。2022年参院選の比例代表得票数は、トップの自民約19万5000に対し、維新が約16万1000と迫った。山下氏の出馬表明は1月末と出遅れたが、維新は奈良を「最重点地区」と位置付け、総力戦を展開した。自身の選挙も控える中、全国的に知名度の高い吉村洋文共同代表が告示前に2度、県内入り。告示日には、馬場伸幸代表や松井一郎前代表らも応援に駆け付けた。

 戦後、公選制となっても官僚や県庁出身者による県政が続いた奈良では、山下氏が初めての民間出身知事となる。新聞記者から弁護士に転身、ニュータウン開発を巡る住民運動を機に政治を志し、無所属で出馬した06年の同県生駒市長選で初当選。全国最年少(当時)市長となった。市長時代は行財政改革を実行するなど「改革派」としても知られた。3期目途中の15年に無所属で知事選に立候補、この時は自民などが推薦した荒井氏に約5万5000票差で敗れた。

 今回の選挙戦では、市長時代に取り組んだ市債残高削減などの行政手腕をアピール。現県政を「大型公共事業重視」だと批判し、公金を扱う知事には民間の経営感覚が必要だと主張した。また、大阪の維新政治を念頭に「生み出した財源で大阪並みの教育無償化を実現させる」と訴え、25年に大阪・関西万博を控える大阪との連携強化で県内経済を成長させると強調。維新支持層の他、無党派層も取り込んで支持を拡大した。

 一方の自民は、平木氏の推薦を決めた県連に荒井氏を支持する県議らが反発し、内紛状態に。平木氏は、県連会長でもある高市氏が総務相時代に大臣秘書官を務めた「側近」だが、党重鎮と親交のある荒井氏への配慮もあってか、党本部は県連の求めに反して推薦を出さなかった。

 分裂した自民県議や首長の多くは、平木氏支援に回った。しかし、荒井氏の県政運営を評価する声も一部で根強く、支持層の分断は避けられなかった。また、放送法が定める「政治的公平」の解釈に関する総務省の行政文書を巡り、国会対応に追われた高市氏が終盤まで地元に入れなかったことも響いた。

 荒井氏は4期16年の実績を盾に県政の継続を訴えた。リニア中央新幹線の新駅誘致や「大規模広域防災拠点」の整備などで奈良を発展させるとしたが、高齢多選批判も影響し、伸び悩んだ。

 公明党は自主投票で臨み、立憲民主党県連は平木氏を支持、国民民主党県連は荒井氏を推薦した。【久保聡】

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